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今回もとなりのトトロの視聴が前提です
見たことない人は先に見てください(必須)フィルムコミックでも可



通信の話(通信研修草案)その1
の続きからね

最初に電話の話したけども
今回はその続きなので、順番に読んでね

まだ電話の話か、いつになったらインターネットの話になるねんってなるかもしれんけども、いきなりTCP/IPやOSIの参照モデルの話したかて、頭に花が咲くだけやし、基礎がしっかりすれば後がすごい楽だよ

こないだは電話の線の話をした訳やん

1:1の接続ならあれで良いんだ
ホムセンで売ってる、親子電話とかインターフォン用電話は1:1接続だ
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でも、電話は世界中の人と繋がってる
複数:複数の接続なので、それぞれの電話機を特定する情報を持たせないといけない
その情報は他の人とかぶってはいけない

それは住所もそうだし、電話番号もそうだし、IPアドレスでもそうなんだ

どこの誰宛に繋ぎたいのか、そして自分はどこの誰なのか
この2点が明確じゃないと通信は成り立たない

郵便物だってそうだ、送り先と送り主の固定情報が確定しないと荷物は送れない

電話の世界では、電話番号がそれにあたる
電話社会における住所である

昭和の中頃まで電話加入権は不動産の様な扱いだった
電話加入権を担保にお金借りたりできた、電話加入権は資産として売買する事が出来た
一応現在でも税法上では無形固定資産になってる

今でも地方のお年寄りは市外局番のある固定電話番号に妙な信用感があるよ
既に都心部は光ファイバー化、バーチャルデータ化してるんだけども
妙に固定電話番号、後、固定電話番号のFAX用番号なんかも持ってると喜ぶ

んじゃ、電話加入権を購入し、NTTの局から自宅まで電話線を引いてもらったとする
物理的に繋がってる線は、自宅から最寄のNTTの局社までだ

昔はNTTじゃなくて、電電公社って名前やったんやけどね
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どこで電話回線を設置しても、線が繋がってるのは日本全国みんな、家の近くの電電公社の支店までしか繋がってないのよ

たとえば、
神戸の電話は電電公社の神戸局の交換台
品川の電話は電電公社の品川局の交換台
に繋がってる

どうやって電話をかけるかというと、前回話した
デルビル磁石式壁掛電話機

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たとえば、神戸から東京にかける場合やと

受話器を上げて
発電機のクランクを回すと、まず最寄の電話局の交換台に繋がって
神戸の交換台の人が電話に出る

交換台の人が、どこへ繋ぎたいの?って聞いてくるので
相手の電話番号と名前を言う

東京の品川の誰それ、番号に繋いでくれと頼む

そうすると交換台の人が、わかった、ちょっとまっとれ言うてな

神戸と品川のラインを接続して、品川の交換台の人に、このライン品川の○○と接続してくださいって頼む訳や、んで繋がったらその線と、神戸の人の線を物理的に繋ぐ

今から繋ぐから、どうぞしゃべってくださいな~ってな

全部、物理的に配線を手動で切り替える、すべて人力
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基本はこれ、1の人が局の人に3に繋いでくれって頼むと
局の人が1と3のケーブルを物理接続してくれる
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接続先がいっぱいある端子盤の前に座って人力接続やってた
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別に日本だけでやってたわけじゃない
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世界中でやってた
世界を繋ぐ人力ネットワーク、これが初期の電話だ
一応電話番号の概念はあったけど、昔は電話機がある場所は公共施設か神社仏閣、大地主とか限られた場所にしかなかったので、○○病院に繋いでくれでも繋いでくれた

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局にはこういう大型パッチパネル台があって、
まずデルビル磁石式壁掛電話機の発電用クランクをまわして発電する
(自転車のハブダイナモみたいなものです)
そしたら電話に繋がってる交換台の該当ランプが発電した電力で光るのよ
ピカーン!って
交換台の人は、おっ電話きたなってまず自分と繋いで応答する訳や
前回はベルを鳴らすための発電と説明したけども、実際の運用では発光信号の為の発電が実用されてた

いっぱい電話がかかる局は光、たま~にしかかからない所はベルの所もあったよ
そこらじゅうリンリン言うてたら訳わからんやろ

ここまでなんとなく理解できた?
なんとなくでいい、まずはもやっと理解!コレ大事、感じろ!
やってる事は友達の友達は皆友達だみたいな話、人力ネットワーク網だ

ここまでの話を思い出しつつ、もう一度、トトロの電話のシーンを確認してみよう
ぜひ、DVDを借りて実動画で確認してくれ、何度でも見てほしいので物理メディアでの購入を勧める
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サツキちゃんに電報が届いた所からな!

サツキ「“レンラクコウ。シチコクヤマ…”」
※電報にて連絡求む 電話のない人への連絡は当時電報が最速の通信手段だった

サツキ「七国山病院! お母さんの病院からだわ。お母さんに何かあったんだ…」

サツキ「おばあちゃん、どうしよう! 連絡しろって。」
※簡単にアクセスできる記録媒体やネットのない時代、年寄りこそ生き字引、グーグル先生だった
 OKおばあちゃん 教えてプリーズ!

ばあちゃん「落ち着いて、落ち着いて… お父さんの居場所わかんのか。」

サツキ「研究室の番号は知ってるけど、でも電話がないもん。」
※お父さん 草壁タツオ(32歳) 考古学者(大学の非常勤講師)・翻訳家 
 お父さん側は大学なので電話がある、しかしサツキちゃんがかける電話がないと言っている


ばあちゃん「カンタ。本家へ連れてってあげな。電話かしてもらえ。」
※カンタくんは地元の名士の分家筋の子、分家とはいえ服装や自転車など結構ボンボンと思われる
カンタ「うん。」

ばあちゃん「メイちゃんは、ここにいな。」
サツキ「メイ。おばあちゃんのとこにいな。」
※いつも非常時には戦力外扱いの下の子、ツライ、この扱いが後の大事件に繋がる
メイちゃんは言うこと聞かずに一人で....
いや、今回メイちゃんはおいといて


サツキ「もしもし。市外をお願いします。東京の31局の1382番です。はい。」
※これが交換台のおねーさんとの会話

ここで一旦電話を切ってる
しばらく待つと電話が鳴る

交換台の人が東京31局1382番に繋いでその繋がった回線をカンタ本家に繋ぐ作業をした


本家のおばあちゃん「かわいい子じゃねえ。カンタ…」
※カンタくんの本家のおばあちゃんです

サツキ「もしもし。はい…」 
※これは交換台の人がサツキちゃんに今から大学に繋ぎますよというのに返事をしている

サツキ「もしもし。考古学教室ですか? 父を… あの、草壁をお願いします。」
※大学の考古学教室に繋がる
サツキ「私、草壁サツキです。はい。」

サツキ「あっ、お父さん! 私、サツキ!」
※やっと、おとーさんに繋がる

お父さん「やあ、なんだい? フンフン。病院から…」
※お父さんは電電公社の最新型電話、黒電話を使ってるのがミソ

お父さん「わかった。いますぐ病院に電話してみるよ。」
サツキ「お母さんに何かあったの? どうしよう。お父さん!」
お父さん「大丈夫だよ。病院にたしかめたら、すぐそっちへ電話するから。」
お父さん「そこで待たせてもらいなさい。」
サツキ「うん。」
お父さん「じゃあ、いったん切るからね。」
サツキ「おばあちゃん。ここで待たせて下さい。お父さんが電話してくるの。」
本家のおばあちゃん「ああ。ゆっくりしてきな。」

※現代風に言うと、カンタくんの本家じゃないと、スマホのアンテナが立たない
ソコ以外は圏外だから、後で電話すっから、ちょっとそこで待ってろって話


そして、メイちゃんの大冒険シーンに続く
お母さんのトンモロコシ!!


と、
1、交換手呼び出し
2、交換手の回線接続
3、通話
4、切電
と一連の流れだ

電話番号としては東京の31局の1382番
これが電話番号やな、おとさーんの大学の電話番号

発電に関しては、トトロの描写を見ると
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壁掛け型ではあるが、ダイヤルが付いている
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右側に発電クランクがついていない
絵から推測するに2号型自動電話機 壁掛け型
もしくは23号式(23番目ではなく、2号型+3号型で23号)
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2号型自動電話機 壁掛け型

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カンタくん本家には木製電柱からの引き込み電線も描かれてる

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お父さんの大学では、最新型電話機 通称”黒電話”を使っている
コードがくるくるしてないので、おそらく3号型電話機 卓上型
お馴染みの600型黒電話にはまだ時代設定的に早すぎるかなぁと
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となりのトトロは1950代が舞台なので、すでに電話回線に給電されている
手回し発電機は不要の時代である、受話器を上げると回路がONになる仕組みだ

手動発電を共電式電話
くるくる回して電話番号情報を発信できるタイプを自動式と呼んだ

※参照ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E9%9B%BB%E8%A9%B1

共電式
ガワーベル電話機の後、局呼び出しのための手回し発電機を備えた、デルビル磁石式電話機が輸入・国産化され、日本の電話機はほぼこれに統一されていた。しかし、磁石式電話機は伝送用に直流1次電池を使用し、これを端末(電話機)側に搭載していたため、定期的に交換が必要であり、保守面で手間がかかった。
そこで、線路に局側から48Vの電源を常時給電し、これを伝送・呼び出し用の電源として使用する共電式が登場し、端末数の多い都市部から、順次転換されていった。交換方式は手動だが、局呼び出しにも共用電流が使用され、受話器をはずす(オフフック)と、局側の交換手呼び出し装置(通常はランプ)が作動する仕組みであった。共電式は端末側の保守はほぼ不要となったが、当時は絶縁技術が未熟で、特に当時の日本はまだ工業途上国であったため、導入初期においては、線路の漏電などのトラブルが多発した。2号電話機は、この共電式の採用に伴って開発、提供された。一方、共電式とならなかった地方の加入電話回線では、引き続きデルビル磁石式電話機が使用された。

自動式
都市部、特に首都である東京での電話加入者数の増加は著しかったが、従来の交換手が手作業で回線を接続する形態では、一層の増強が困難となった。
1923年(大正12年)の関東大震災からの復旧を契機として、日本でもダイヤルパルス信号による自動交換方式を導入することとなり、1926年(大正15年)、東京に日本初の自動交換機が導入された。
この自動交換機用の電話機端末として、2号共電式電話機にダイヤル装置を備えた2号自動式電話機が開発された。
卓上型では、その構造、また日本の工業水準から鑑みて、自動交換用の回路を全て内蔵することは現実的ではなかったため、ベル装置や一部の回路を木製の別筐体に収納した。ダイヤルは本体の正面に装備された。


日本中同時に規格交代はできないので、時代差だけでなく都会と田舎でも差があったと思う
お父さんは都心部にいるので、より発達した環境にいたのである

市内通話なら人間の交換手ではなくダイヤルだけで自動交換出来る
昔は市外に電話をかけていいのは大事件の時だけ!!
みたいな暗黙のルールがあった、電話代凄いかかる

この当時に電話で市外接続を使うと言う事は、非常事態なんだ
現代のような気軽な感覚ではなく、
サツキちゃんは酷いプレッシャー、ストレス状態の中、歯を食いしばって長女として立ち回っていた事を理解すると、その後の展開の納得度が深まるかと思います

今でこそ、子供がスマホもってネットしてますけども
サツキちゃんは10歳で、作中のサツキちゃんの行動は並みの10歳じゃ絶対出来ない!
無理して無理して考えて、お母ちゃん病気やし、自分がなんとかせんと!って
もぅね、ジジィには初っ端から涙が止まらない

電話が、今でいう謎の超ハイテクまっしーんだったんだもん

下手に彼女の家に電話なんかしようものなら、確実に相手の親が出るし
結婚式の日取りが自動的に決まってしまう時代
あれ?少子化対策には良くね?
って、ちっがーう!

今回は脱線しないぞ!

この当時の電話交換台にあった電話交換機は英語では、スイッチとか
市外には自己の機能で自動でかけられないので構内交換機
プライベートブランチエクスチェンジ Private Branch eXchange
通称:PBXと呼ばれた
PBXは現代でも使用されているし、会社の内線や、ホテルの交換台、ガイダンスを選んで選択するコールセンターの仕組みに利用されている

そして市外へ手動接続も自動化の時代が来て
人力での手動による電話交換は海外との接続のみになり
それすらも自動化され、今電話網そのものが過去の遺物になりかけている


PBXはPCやネット環境で商売してると、たまに聞くこともあるので
あぁ、アレね!アレアレ、トトロ!
くらいはイメージできるようになっておこう

何度も何度もトトロのDVDを再生して
この人力による電話交換の仕組みを自分で図に出来るようになろう

今回は短いけどもここまでとしよう
ある意味、これがインターネットの基礎原理なんだ

なんでこんなに電話機の話をするかと言うと、通信の基礎であるのもあるねんけどもな
電話回線にネット回線が乗ってた時代が終わって
ネット回線に電話回線が乗っかる時代になったからや
都心部の電話線はもう銅線じゃないで、光ファイバーになっとる
さよならBフレッツ、さよならADSLや

VOIP 
Voice over Internet Protocol(ボイス オーバー インターネット プロトコル)
電話の仕組みがわからんとキツイで
まぁ、今はそこまでの話はせんけどもな~

当時、交換台の交換手は、女性のあこがれの職だった
というより、女性がまだそんなに職業を持たない時代だった
男性の交換手ってのはゼロじゃないけどもほとんどいない
これは当時の技術では回線ノイズが酷かったからだ
音の減衰もあったし、ノイズ混じりの回線で男性のミッドローの周波数の声は言葉が聞き取りにくい
女性のミッドハイ当たりがしっかり出る周波数の方がノイジーな回線状況では聞き取りやすいのである
とこれは男女の声帯の差による技術的解釈だが
おっさんがブツブツ言うてても、なにゆ~てるんか良くわからん!って奴だ
サムライボーイはペラペラ喋るもんじゃーないって時代でもあったのよ
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不器用じゃけん!
当時の交換台に興味がある人はこんな本も面白いかもしれん


今回はあまり話が脱線しなかったなぁ

おわり